四谷駅
四谷は東京都新宿区の地名で、1丁目から4丁目まで存在します。四ツ谷や四ッ谷と表記されることもあります。総称としては北側は靖国通り、南側はJR線、西側は外苑西通りに囲まれた地区とその周辺地区を指します。有名高級ホテルや大学、御所、迎賓館、新宿御苑、明治神宮外苑が近辺にあります。名前の由来は大きく二つ有り、一つは4軒の茶屋があったという説と4つの谷があったという説です。ただしいずれの説にも茶屋があった時期とよつやと呼ばれだした時期が合わないとかわざわざ4つの谷だけを抜き出す理由がないといった疑義があります。
江戸時代以前は四谷近辺は周辺も合わせてススキ原でした。1634年に江戸城西北に外堀を設置することになり、立ち退くことになった麹町地区の寺社群がこの地区に移転し始めました。この地区の一部に寺院が多く見られるのはこの時の名残です。外堀は1636年に完成し、堀の岸は石垣で築かれ、見附と呼ばれる警備のための城門が設けられました。駅の付近には見附の跡が残されています。寺院の移転と見附の設置によりこの地区の様相は一変しました。寺院の周辺に門前町屋が多くなり商人や職人の活動が栄えました。また1657年の大火によりこの地区に移り住んだ人も少なくありませんでした。
その後はこの地区は郊外地区から都市部へと変貌していきました。明治に入り、1894年に現在の中央線の延伸により原材料や商品の輸送が容易となったため鉛筆やタバコといった製造業が飛躍的に発展しました。またこの地区は主要な道路が田の字型を形成しており、古くから交通の要所と言われています。これらの道路に沿って鉄道や地下鉄が整備されています。都営新宿線は靖国通り、東京メトロ丸ノ内線は新宿通り、外堀通りは中央線と東京メトロ南北線が走っています。過去には新宿通りと外堀通り上を路面電車が走行していましたが1970年までにすべて廃止されました。
四谷駅はJR東日本と東京メトロが乗り入れる乗換駅になっています。JRは島式ホーム2面4線をもつ地上駅で橋上駅舎を有しています。快速電車と鈍行電車用に分かれており同じ方向に乗り換えるには階段を利用して橋を登る必要があります。2011年にエコステーション取り組みが当駅で始まり、駅舎の上に太陽光パネルを敷き詰めて太陽光発電を行ったりホームの屋根上を緑化するなど環境に配慮した駅に改良されています。東京メトロ丸ノ内線は相対式ホーム2面2線の高架駅となっており、地上駅となっています。南北線は地下駅となっています。